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➤本書台灣的繁體中文大約有三種版本,以下採用2022年高寶出版的《十三級階梯》(譯者:劉姿君)
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{tocify} $title={內文導覽}
▌十三階梯&絞首台
公訴権を独占するという強大な権力を握っている検察官は、同時に、刑の執行までをもやり遂げる責務がある。極(こと)に極刑ともなると厳正な審査が必要で、彼が作成している死刑執行起案書は、これから五つの部署、十三名の官僚の決裁を受けることになっていた。十三名。その数字に眉をひそめた検事は、死刑判決の言い渡しから執行まで、どれくらいの手続きがあるのかを数えてみた。するとそれは、十三あった。十三階段。絞首台の代名詞を思い浮かべて、局付検事は皮肉な感慨にとらわれた。明治以降の日本の死刑制度史上において、十三階段の死刑台が作られたことはない。唯一の例外は、戦争犯罪人処刑のために作られた巣鴨プリズンの絞首台だが、それはアメリカ軍の手によるものだ。我が国の昔の処刑台には十九の段があったらしいが、死刑囚に階段を上らせる際に事故が多発したため、改良を余儀なくされた。現在は、目隠しされた死刑囚の首に縄がかけられた直後、床が二つに割れて地下に落下する『地下絞架式(こうかしき)』になっている。しかし十三階段は、思わぬ所に存在していた。局付検事が任されている仕事は、その階段の五段目に相当した。執行まで、あと八段。死刑確定囚の樹原亮は、何も知らされぬまま、一段また一段と、死刑台の階段を上がって行くのだ。彼が最上段にたどり着くのは、およそ三ヵ月後と推定された。— 第一章 社会復帰 P.39
檢察官獨佔公訴權,手中握有強大的權利,但同時,犯罪人從調查到行刑完畢為止都是他們的職責。尤其是死刑,更必須要嚴正審查,因此他所製作的死刑執行起案書,接下來還要接受五個部署、十三名官員的裁決。
十三名。
對這個數字皺起眉頭的檢視,數了數從宣布死刑判決到執行為止,要經過多少手續。結果是十三道。
十三階。
想起這個絞刑的代名詞,局付檢事深深陷入諷刺的感慨中。明治時期以來,日本的死刑制度史上,從未製作過有十三級階梯的死刑台。唯一的例外,是為了處死戰犯而建的巢鴨監獄絞刑台,但那是美軍建造的。日本以往的處刑台是十九階,但由於死刑犯爬上樓梯時經常發生意外,不得不改良。現在採用的是「地下絞架式」,在蒙起眼睛的死刑犯脖子套上繩索後,地板一分為二,讓犯人往下墜落。
但是, 十三階存在於意想不到之處。局付檢事被指派的工作,相當於其中的第五階。在死刑執行之前,還有八階。死刑確定犯樹原亮,將在毫不知情的情況下,一階又一階,爬上死刑台的階梯。推測他將於三個月後爬到最上面一階。
— 第一章 重回社會 P.32-33
▌悔改之意&死刑
「問題はそこなんだよ」南郷が、杉浦の説明を引き継いだ。「記憶がないってことは、検察側が主張する公訴事実に反論できないってことだ。もっと言うと、記憶がないばっかりに、死刑判決を受けたとも考えられる」「どういうことですか?」「量刑基準だ。つまり強盗殺人の場合、被害者が一人ならまず死刑にはならない。無期懲役だ。ところが被害者が三人以上となれば、ほぼ間違いなく死刑判決が出る」「微妙なのは、今回のように被害者が二名の場合です」杉浦弁護士が言った。「この場合は、どっちに転んでもおかしくはない。しかし、刑を受けるほうからすれば、まさに生きるか死ぬかなんです。死刑を逃れて無期刑になれば、法律上は十年の服役で社会復帰の道が開かれますからね」純一は、二人の顔を見比べて言った。「それで、今回の事件の記憶のあるなしは、どう関係してくるんですか?」「改悛(かいしゅん)の情だ」南郷が言った。「裁判官が死刑判決を避ける一番の理由は、被告人が改俊の情を見せたかどうかなんだ」改悛の情については、純一は嫌と言うほど知っていた。自分が裁かれた時も問題になったからである。しかしその時は、刑期が数ヵ月ほど左右されるだけの意味しか持っていなかった。死刑か無期かの重大な分水嶺(ぶんすいれい)ではなかったのだ。純一は、かねてからの疑問を口にした。「改悛の情なんて、本当に他人が判断できるんですか? 罪を犯した人間が、心から反省しているかなんて、外から見て分かるものなんですか?」「過去の判例を見ると、判断基準はいろいろです」杉浦弁護士が、薄笑いを浮かべて言った。「法廷で流した涙とか、遺族への賠償金の多寡(たか)とか、拘置所内に仏壇を作って毎日拝んでいるとか」「殺されてから拝まれたって、被害者は浮かばれないでしょう。それに、そんなことで判断されるんだったら、金持ちの涙もろい人間が有利なんじゃないですか」純一がむきになって反論するので、南郷は不思議そうだった。「それはちょっと言い過ぎだがな」と穏やかにたしなめてから、つけ加ぇた。「そういう側面があることは否定できない」— 第二章 事件 P.78-79
「問題就在這裡。」南鄉接著說明,「沒有記憶這件事,就代表無法反駁檢方所主張的犯罪事實。更進一步地說,因為沒有記憶,也可以視為接受了死刑判決。」
「怎麼說?」
「因為量刑基準。是這樣的,強盜殺人時,若被害者只有一人,不會被判處死刑,而是判無期徒刑。但是當被害者多達三人以上,幾乎可以確定會判處死刑。」
「微妙的是,像這個案子,有兩名被害者。」杉浦律師說,「這種情況無論是無期徒刑或死刑都有可能。但對受刑的人而言,就真正是生死之別。逃過死刑或判無期徒刑的話,依法服刑十年,重回社會的路就會打開。」
純一輪流看了看兩人,說:「所以這和這個案子的有無記憶,有什麼關係?」
「就是悔改之意。」南鄉說,「法官是否判處死刑最重要的理由,便是被告人有無流露悔改之意。」
關於悔改之意,純一熟得不能再熟,因為這在他受審時也成為問題。但是,當時只具有左右幾個月刑期的意義,並非死刑或無期徒刑這麼重大的分水嶺。
純一提出了一直存在心中的疑問:「所謂的悔改之意,別人真的能判斷嗎?犯了罪的人是否由衷反省,從外表看得出來嗎?」
「由過去的判例來看,判斷基準很多。」杉浦律師露出微笑說:「好比在法庭上流的淚、對家屬賠償金額的多寡、在看守所裡做佛壇每天祭拜。」
「被殺了以後再被拿來拜,被害者也不會高興吧。再說,假如以這些來判斷,那不是對有錢又愛哭的人比較有利嗎?」
純一激動地反駁,南鄉顯然感到不可思議。
「這麼說就太過分了。」他平靜地責備純一之後,又加上一句,「但的確不能否定是有這一面。」
▌被害者遺族的心聲
一人残った芳枝が、口を開いた。「言葉が過ぎて申し訳ありませんでしたが、これだけはかって下さい。私たちは、あの事件から、本当に地獄のような日々を送って準備もできないほどの警察の事情聴取とか、それから明け方まで呼び鈴をマスコミの取材とか⋯⋯報道の自由とかを振りかざす人たちが、犯人と同じく私たちに襲いかかってきたんです。私も主人も、体調を崩して入院しましたが、もちろん、医療費は自己負担です。頭に怪我した犯人は、国が治療費を払って手術を受けられたというのに」芳枝の両目から涙がこぼれそうになったので、純一は視線を逸らせた。「取りとめのないことを申し上げてすみません。でも、分かっていただきたいんです。この国では、凶悪犯罪の被害者になった途端、社会全体が加害者に変わるんです。そして、どれだけ被害者をいじめても、誰も謝罪もしないし責任も取りません」表情に嫌悪感をにじませた芳枝は、その顔のままでこちらを見上げた。「結局、遺族としましては、すべての非を犯人に求めるしかないんです。お二人には申し訳ありませんが、再審請求が却下されることを、私は望んでおります」—第三章 調查 P.100-101
留下的芳枝開口說道:「外子的話也許重了點,但請你們了解,出事後,我們簡直就像生活在地獄裡。警方的偵訊,還有媒體為了採訪,門鈴按到天亮,讓我們連這裡都無法準備……那些高喊什麼報導自由的人,跟兇手一樣攻擊我們。外子和我都因而搞壞身體住院,但醫藥費當然是自行負擔。可是那個頭部受傷的兇手,國家卻幫他付醫藥費讓他開刀。」
淚水就要從芳枝雙眼滾落,純一移開視線。
「不好意思,我說話沒條理。可是我希望你們能明白,在這個國家,只要一成為兇惡犯罪的被害者,這個社會就會變成加害者。而且,無論把被害者欺負的多產,也沒有任何人會道歉、會負責。」芳枝帶著厭惡的神情抬頭看他們。「到頭來,身為被害者家屬,我們只好把所有的錯都怪在兇手身上。雖然對兩位很抱歉,但是我希望再審聲請被駁回。」
— 第三章 調查 P.74-75
▌赦免
課長のもとを辞去すると、参事官は起案書に目を通し始めた。それを読んだところで、もはや執行を停止させられないのは分かっていたが、職業上の良心は満足させておきたかった。詳しい事情も把握せずに、一人の人間を死刑台に押しやることはできない。それにしても、と起案書を読み進めるうちに、いつもの虚しさを感じ始める。恩赦という制度が、本当に機能しているのかという疑問である。恩赦とは、司法の出した結論に対し、政の判断によって刑事裁判の効力を変更させようというものである。簡単に言えば、內閣の判断によって、犯罪者の刑罰を消失させたり減刑させたりすることができるのだ。三権分立に反するという批判もあるが、この制度が維持されているのは、その高邁(こうまい)な理念——法の画一性によって妥当でない判決が出された場合や、他の方法では救い得ない誤判への救済など——が支持されているからだ。しかし、現実に目を向ければ、マイナス面ばかりが目につく。恩赦には、大別して政令恩赦と個別恩赦の二つがある。政令恩赦のほうは、皇室や国家の慶弔(けいちよう)の際に、一律に行なわれる恩赦である。昭和六十三年に、昭和天皇の病状悪化が伝えられた時、死刑執行に関するすべての業務が停止されたことがあった。天皇崩御(ほうぎょ)となれば政令恩赦が出されるのは確実で、それが死刑囚にも適用される場合を考慮して、執行を見合わせたのである。それは行政側の温情と言えたが、その裏で、実はとんでもない悲劇が起こっていた。裁判で死刑判決を争っていた数名の被告人が、自ら控訴や上告を取り下げ、死刑判決を確定させてしまったのだ。これは恩赦が、確定囚にしか適用されないために起こった悲劇であった。政令恩赦が出さた時点で、まだ裁判で争っていると、判決が確定していないために恩赦に浴することができないのである。被告人たちは、上級審で死刑判決が破棄されるよりも、政令恩赦によって死刑判決が減刑される可能性に賭けたのだった。しかし結果は、政令恩赦は出されたものの、対象者は軽微な罪を犯した者に限定され、無期や死刑相当の凶悪犯罪者には適用されなかった。控訴や上告を取り下げた被告人たちは、そうして自らの死期を早めてしまったのだった。どうしてこんなことが起こるのか。原因ははっきりしている。恩赦の適用に関して、基準が明確ではないからだ。つまりは行政権者のその時々の恣意(しい)によって、いかようにも運用できるのである。その証拠が、過去の実績にはっきりと現れている。恩赦によって釈放されたり復権されたりする者は、選挙違反の事案に圧倒的に多い。つまり、政治家を選挙で当選させるために犯罪に手を染めた者たちが、優先的に赦されているのである。それに対し、死刑囚はどうかと言うと、過去二十五年間に恩赦が適用された例は一つもない。これは、裁判所の量刑基準が緩(ゆる)くなったことも原因している。よほどの非道な罪を犯さかり、死刑判決が言い渡されることはなくなったのだ。現在の日本では、年間千三百名あまりの殺人者たちが逮捕投獄されるが、そのうち死刑判決を受ける者はわずか数名である。人殺しの中の、さらに〇・五パーセント以下という低い確率である。総人口から考えらば、数千万人に一人という奇跡のような割合で、死刑囚が出ることになる。その数名は、まさに『極刑を以て臨む他ない』残虐な者たちであり、彼らに恩赦を与えようとするのは過分な措置と言えるだろう。そうした事情があるにも拘(かか)わらず、参事官がわだかまりを感じるのは、政令恩赦、個別恩赦の双方に明確な基準がないからだった。『確定裁判後の個別的犯情を考慮する』とはどういうことなのか。拘置所長の報告は、正しく死刑囚の内面を把握しているのか。恩赦制度の基本理念に照らした時、実は救済すべき者をも処刑してきたのではないかという疑いが、参事官の頭から離れないのだった。— 第三章 調查 P.142-144
離開後,參事官開始看起案書。他知道就算看了,也已經無法停止執行了。但他想滿足職業上的良心。他沒有辦法在沒有掌握一切情節的情況下,將一個人送上死刑台。
話說回来,看著起案書,照例又感到空虛。赦免這個制度真的有作用嗎?——他心中有這個疑問。所謂的赦免,是針對於司法所做出的結論,透過行政的判斷來更改刑事裁判的效力。簡單說,就是可以透過内閣的判斷,來取消或減輕犯罪者的刑罰。雖然有批評的意見反對三權分立,但這個制度得以維持,是因為受到高超的理念所支持,例如當案子因法律的一致性做出了不妥的判決時,或者是救濟以其他方法無法救的誤判。
可是,看看現實,卻只看得到負的一面。
赦免可大分為政令赦免與個別赦免兩種。政令赦免,是皇室或國家喪慶之際,所施行的全國性赦免。
昭和六十三年(一九八八年),昭和天皇病情惡化时,曾一度暫停與死刑執行相關的一切業務。因為若天皇駕崩,确定會實施政令赦免,考慮到死刑犯也適用的情況,而暫緩執行。這雖可說是行政上的溫情,但背後其實發生了意想不到的悲劇。有名正在審判中爭議死刑判決的被告,自行撤銷控訴或上訴,使死刑判決定讞。
這是因為赦免只適用於確定犯而發生的悲劇。政令赦免頒布時,仍在審理中的案子因為判決尚未缺定,是無法獲得赦免的。與其爭取取消死刑判決,被告寧願賭政令赦免使死判決減刑的可能性。
結果雖然頒布了政令赦免,但對象只限於罪行輕微者,不適用於無期徒利或死刑犯。撤銷控訴或上訴的被告們,反而提早了死期。
為什麽會發生這種事?原因很明顯。因為赦免的適用沒有明確的基準。換言之,因行政權者當時的恣意,可任意運用。證據清楚見諸於過去的實績。因赦免而獲釋放或復權者,以違反選舉的事案占絕大多數。也就是說,為了讓政治家當選而犯罪的人們,優先獲得了赦免。
相對於此,死刑犯又如何?過去二十五年沒有任何一個例子適用於赦免。法院的量刑基準變得較為寬鬆也是原因之一。如今若非絕對兇殘的罪行,不會被宣判死刑。現在的日本,一年有一千三百多個殺人犯被捕入獄,但其中被判處死刑的有數名。比例極低,在殺人犯中不到百分之零點五,從總人口數來看,幾千萬人中才只有一個死刑犯的比例,簡直形同奇蹟。這幾名是真正「唯有處以極刑」的泯滅人性之人,赦免他們可說是處置不當。
儘管有這樣的背景,參事官仍心裡有疙瘩,是因為政令赦免與個別赦免兩者都沒有明確的基準。「考慮確定審判後的個別犯情」指的是什麽?看守所所長的報告正確地掌握死刑犯的內心了嗎?與赦免制度的基本理念對照時,「其實是不是把應救濟的人給處死了」這個疑問一直在參事官的腦中揮之不去。
— 第三章 調查 P.103-105
▌犯罪者的性命
「そうだ。死刑制度のある国で凶悪犯を捕まえるってのは、相手を殺すのと同じことだ。俺たちが真犯人を見つければ、そいつは間違いなく処刑される」「いいんですか、そんなことになっても?」「仕方がないだろう」南郷は強い口調で言い返した。「他にどうすればいいんだ? このまま何もしなければ、無実の人間が死刑になるんだぞ」「でも――」「いいか。こいつは二者択一なんだ。今、俺たちの目の前では、二人の人間が溺れてる。一方は冤罪の死刑囚、もう一方は強盗殺人犯だ。一人しか助けられないとしたら、どっちを助ける?」純一は、その答を頭の中で出した。そして思い知らされた。犯罪者の命は、犯した罪の重さに反比例して軽くなるのだ。それなら、と考えて純一の背筋を冷たいものが走った。傷害致死罪を犯した自分の命は、それだけ軽くなったのか。— 第三章 調查 P.156-157
「沒錯。在有死刑制度的國家抓到兇殘罪犯,就等於是殺死對方。如果我們找到真兇,他一定會被處刑。」
「就算那樣,南鄉先生也覺得沒關係嗎?」
「那也是沒辦法的事啊。」南鄉以強硬的語氣反駁,「不然該怎麼做?就這樣什麼都不做的話,無辜的人就會被處死刑?」
「可是——」
「你要知道,這是二選一的問題。現在,我們眼前有兩個人溺水了,一個是冤獄的死刑犯,另一個是強盜殺人犯。假如只能救一個人,你要救哪一個?」
純一有了答案。於是他這才明白,原來犯罪者的性命與所犯之罪的輕重成反比。這樣的話——想到這裡,純一背上竄過一陣寒意。犯了傷害致死罪的自己,性命就變得那麼輕了嗎?
— 第三章 調查 P.114
▌刑務官&日本民眾&死刑
若い看守は、南郷がかつて感じたのと同じ疑問、監獄法の条文を無視して、どうして法務省の通達が優先されているのかという問題に触れた。「それについては、ずいぶん考えた」南郷は、自分なりの結論を言った。「法務省はおそらく、監獄法の改正を望んでる。ところが政治家が動かないんで、法律を変えることができない。それで仕方なく、あんな通達を出したんじゃないのかな」「じゃあ悪いのは、法改正をしない政治家ということですか?」「表向きにはな。ただ、国会議員が動かない理由も考えなくちゃな。あいつらが動かないのは、犯罪者の処遇、特に死刑囚に関する問題を口にした途端、世間のイメージが悪くなるからなんだ。自分たちの人気取りの邪魔になる」「やっぱり悪いのは政治家じゃなですか」「お前、死刑制度に関する国民のアンケートを見たことはないのか? 」「国民の過半数が支持でしょう?」「それだよ」南郷は言った。「日本人はな、悪人を死刑にしようと心の中では思いながら、それを口にする人間を白い目で見るんだ。本音と建前を使い分ける民族の陰湿さだよ」岡崎は何かに気がついたように口を開け、やがて頷いた。「テレビなんかを見てても、死刑反対の人しか出て来ないですもんね」「ああ。それに白い目で見られるのは政治家だけじゃない。俺たちもそうだ。国民の期待に添ってやってるのに、後ろ指をさされるのさ。極悪人を殺してくれてありがとうなんて、誰も言っちゃくれない」南郷はため息混じりに言った。「だがな、誰かがやらなきゃならないんだ」— 第四章 過去 P.183-184
年輕的看守提到為何能無視監獄法的條文,而以法務省的通知為優先的問題,這是南鄉也曾有過的疑問。
「關於這一點,我想過很多。」南鄉說出自己所做的結論,「法務省應該是希望修改監獄法,但政治家卻不採取行動,所以改不了法律,只好發出那樣的通知吧。」
「那麼,不對的是不修法的政治家?」
「表面上是。只不過,也必須考慮國會議員不採取行動的原因。他們不採取行動,是因為只要一提到犯罪者的處遇,尤其是與死刑犯相關的問題,社會形象就會變差,對他們爭取支持率有負面的影響。」
「這樣還是政治家的錯不是嗎?」
「你沒看過死刑制度的民調嗎?」
「民眾有過半數支持啊?」
「沒錯。」南鄉說,「日本人心裡認為應該要判化壞人死刑,卻對把這種想法說出口的人白眼相看。這就是表裡不一的民族的陰險之處啊。」
岡崎有所領悟般地張開了嘴,然後才點點頭。「看電視什麼的,也都只有反對死刑的人。」
「是啊。而且被白眼看待的不只是政治家而已,我們也一樣。明明符合人民的期待,卻被他們在背後指指點點。沒有半個人會說,謝謝你們把窮凶極惡的壞蛋殺掉。」南鄉嘆息著說,「可是一定得有人去做啊。」
— 第四章 過去 P.132-133
▌事務次官&法務大臣
『死刑執行命令書』は、残り二人の決裁を待つばかりとなっていた。刑事局、矯正局、保護局の各部署で、それぞれ三名の幹部のチェックを受けた『死刑執行起案書』は、刑事局に一度戻されて『命令書』と名を変え、局長自らの手で法務大臣官房に回されてきた。自僚の頂点に立つ事務次官は、机の上に置かれたその書類をじっと見つめていた。官房内では秘書課長と官房長の決裁が終了し、あとは事務次官の審査を残すのみである。彼が判を捺しさえすれば、命令書はいよいよ法務大臣室へと運ばれ、そこで十三人目にして最後の決裁者となる大臣の判断を仰ぐことになる。すでに事務次官は、添付された資料に目を通していた。ざっと読む限りでは、内容に問題はなかった。彼は執務机の上にある官印を取り上げると、朱肉に押しつけてから命令書に捺印した。残る問題は、これをいつ大臣室に運ぶかであった。彼が仕える法務大臣は、未だ改められぬ国政上の悪弊(あくへい)、与党派閥の順送り人事によって大臣の椅子に座った男だった。法務行政全般に関して、知識もなければ見識もない。しかも事務次官にとって頭が痛いのは、立派な体格のこの大臣が、実は小心者であることだった。話題が死刑問題に及んだだけで声を荒らげる。その態度はまるで、注射を受ける子供がいやいやをするような、極めて幼稚なものと映った。しかし嗤(わら)ってはいられなかった。事務次官は今、法務行政の歴史に残る汚点『死刑執行命令書』への署名拒否が繰り返されるのではないかという危惧(きぐ)を抱いていたのだった。歴代法務大臣の中で、自ら信仰する宗教を盾に、死刑執行の命令を拒否した大臣がいたのだ。また、理由を明言しないまでも、命令書に署名しなかった大臣は何人もいる。そうした行動は、死刑制度反対論者には歓迎されたようだったが、明らかな職務放棄だった。執行命令が大臣の職務と法律で定められている以上、それが嫌なら、大臣就任を断わるのが筋というものだ。法を無視してまで嫌なことはやらず、権力の座だけ欲しいというのでは、法務当局の役人たちは納得しない。あの馬鹿を、どう説得したものか。事務次官は頭を悩ませていた。彼は役職の上では官僚のトップだが、実力的には五番目に過ぎない。出自が検察庁の検察官であるため、頭の上には検事総長や東京高検の検事長など、四名の実力者が重しとして乗っかっているのである。大臣の説得に失敗すれば、どんな災いが降りかかるか分かったものではなかった。やはり切り札は、間近に迫った内閣改造だろうと事務次官は考えた。退任間際に命令書にサインが行なわれるのは、半(なか)ば慣例のようになっている。死刑囚の四度目の再審請求も、その頃には棄却されているだろうとの報告も受けていた。改造人事の二週間前だ、と事務次官は当たりをつけた。そのタイミングで大臣の内諾(ないだく)を得る。そこで相手が渋るようなら、まさに退任の日、有無を言わさずに死刑執行命令書を突きつけ、署名を迫る。刑事局長と自分が二人がかりでやれば、あの大臣もノーとは言えないだろう。事務次官は不機嫌な顔のまま、死刑執行命令書を引き出しの中にしまい込んだ。茶番劇の脇役にでもされたような気分だった。一人の人間の命を奪う決断をしようとしているのに、愚かな政治家が一人加わっただけで、すべては安っぽい喜劇に墜(だ)してしまう。あんな奴が選ばれるから悪いのだ、と事務次官の怒りは国民に向かった。だが、もう少しの辛抱だった。内閣の改造人事が行なわれれば、あの大臣は命令書を残して大臣室を出て行く。そうなれば、この憂鬱な仕事も終わりを告げる。そこでふと、事務次官は、命令書をしまい込んだ引き出しに目を向けた。今の時点では、自分だけが樹原亮という人間の寿命を知っているということに気づいたのだった。まるで死神だ。— 第四章 過去 P.242-244
「死刑執行命令書」就只等兩個人批准了。
在刑事局、矯正局、保護局的各部署中。分別由三名幹部檢查過的「死刑執行起案書」,先送回刑事局更名為「命令書」,再由局長親手交遞到法務大臣官房。
站在法務官員頂點的事務次官,直勾勾地盯著放在桌上这份文件。官房内部,秘書課長
與官房長已經批准,就只剩事務次官審查了。只要他蓋了印,命令書就會送到法務大臣室,在那裡,等候第十三人,也是最後一名決裁者法務大臣的判斷。
事務次官已經看過所附的資料。就他大致看過的部分,內容沒問題。他拿起辦公桌上的官印,按過印泥後,在命令書上蓋了章。
剩下的問題是,什麼時候把這個送到大臣室。
他所服務的法務大臣,是靠至今仍未改善的國政弊端,也就是執政黨排隊照輪的做法,被送上大臣寶座的。對於法務行政的一切,既無知識也無見識。而且最讓事物次官頭痛的是,這個體格體面的大臣,其實是個膽小鬼。
光是話題提到死刑問題就大吼大叫。那種態度簡直就像要打針的小朋友吵著不願意打針一樣,幼稚到極點。但現在不是取笑他的時候。事務次官現在正抱著重大危機,只怕法務行政史上的污點拒簽「死刑執行命令書」的例子又會重演。
歷代法務大臣中,有人以自己的宗教信仰為由,拒絕下達死刑執行的命令。更有好幾位大臣不在命令書上簽名卻不言明理由。這些行為受到死刑制度反對論者的歡迎,卻是明顯的失職。既然法律明定執行命令是大臣的職務,若是不肯做這件事,拒絕就任大臣才合道理。不惜無視法律,也不肯做不想做的事,卻只想要權力的寶座,這令法務當局的公務人員無法接受。
該怎麼說服這個白癡?事務次官感到頭痛。他在職務上雖是官僚的頂端,但就實力而言,也才排第五。由於他是檢察廳的檢察官出身,上面還有檢視總長、東京高檢的檢事長等,四名大老重重壓下來。若是無法成功說服大臣,天曉得會有什麼災難降臨。
事務次官認為,最後的王牌終究是近在眼前的內閣改組。在退任之際簽署命令書,也算是半個慣例了。他已經收到報告,死刑犯第四次聲請再審,到時應該會被駁回。
人事改組前兩週——事務次官定下目標。要在這個時間點取得大臣的內部承諾。若是這時候對方還是不肯簽,那就真的要在他下台的那天,不管三七二十一把死刑執行命令書擺在他面前,逼他簽名。由刑事局長和自己兩個人一起上,那個大臣也不敢說不吧。
事務次官沈著一張臉,把死刑執行命令書收進抽屜裡。心情好像被迫演出鬧劇的配角。明明是要做出奪走一個人性命的決定,只因多了一個愚蠢的政治家,就讓整個層次低落到像岀低俗喜劇。要怪就要怪那種人被選上了——事務次官把怒氣轉向人民。
然而,只要在忍一陣子就好。只要內閣人事改組,那個大臣就會留下命令書滾出大城市。這麼一來,他也可以告別這份令人憂鬱的工作。
這時,事務次官驀地朝收放命令書的抽屜卡。他發現,在現在這個時刻,只有自己知道樹原亮這個人還有多少壽命。
簡直就像死神一樣。
— 第四章 過去 P.173-175
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